「高級住宅街」目論見外れ…宅地開発条例見直しへ
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東京・国分寺市、規制強く資産価値下がる
市内で行われている宅地開発では、1区画135平方メートル以上に設定されている(国分寺市内で) 東京都国分寺市は、
宅地開発の基準などを定めた「市まちづくり条例」の見直しを進めている。
現行の条例は、ミニ開発を防ぎ、「ゆったりとした住環境をつくる」狙いで、一戸建ての敷地面積などについて他市に比べてやや厳しい規制をかけている。
施行後、土地所有者や不動産業者からは「規制が厳しすぎる」との声が相次いだ。
一方、条例で設置された「まちづくり市民会議」は現状維持を答申している。改正案を審議する市議会建設環境委員会の判断が注目される。
改正案
条例は2005年1月に施行された。改正を要望する声が多かったのは、敷地面積に関する規制。
現行の条例では、市内で最も指定範囲が広い第1種低層住居専用地域で3000平方メートル未満の開発をする場合、
一戸建て1区画の敷地面積を「135平方メートル以上」と定めているが、
改正案では「5000平方メートル未満の開発で1区画125平方メートル以上」に緩和した。
同市の調査によると、同様の規制を130平方メートル以上に定めているのは多摩26市で同市と日野市のみ。
ほかの市は120平方メートル以下がほとんど。そのため、国分寺市では一つの開発地で確保できる区画数が他市より少なくなるが、
「その分価格を高くすると売れない」(不動産関係者)ため、結果的に土地を割安でしか売却できない、という不満の声が出ている。
今年、相続税の支払いのため農地を売却した男性は「条例がなければ、手放した農地は1~2割ほど少なくて済んだのでは」と話し、「適正価格で売りたかった」とこぼす。
「都宅地建物取引業協会」の国分寺・国立支部では、委員会をつくり、今年1月に規制緩和を求める意見書を提出した。
同委員会の元委員で、市内で不動産業を営む浅見正さんは「国分寺市の規制だけが突出して厳しく、不公平感がある」と訴える。
経緯
条例は04年6月、議会で全会一致で可決された。市議の一人は「田園調布や鎌倉のような条例にならい、
ちょっとした高級住宅街を目指すつもりだった」と振り返る。
大田区・田園調布では165平方メートル以上、鎌倉市の一部は200平方メートル以上に規制されている。
市議は「当時、多摩地区では先進的な内容で他市も追随すると想定していたが、
結局他市が定めた規制はうちより緩かったために、国分寺だけ資産価値が下がってしまった。想定できなかった」と反省する。
市民会議
現状の「135平方メートル」を維持すべきだとしているのが「まちづくり市民会議」。
同団体は条例で規定されている付属機関で、メンバーは公募された市民と有識者の計13人。
同団体は昨年10月、「緩和要望は出されているが、国分寺らしさを反映するため現状を維持する」と答申している。
一方、改正案をまとめた同市都市計画課は「少子化で1世帯の人数が減少し、一戸建てに必要な敷地が小さくなったと判断したことも緩和の一因。
規制緩和を求める声も含めた様々な意見を考慮した」と説明する。
(2010年9月7日 読売新聞)
[スレ作成日時]2010-09-11 07:48:37
「高級住宅街」目論見外れ…宅地開発条例見直しへ
by 管理担当
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