本物件の売主であるプレサンスは創業20年足らずと新興であるにも関わらず,本社である大阪を中心に次々と新規物件を売り出して拡大を続けており,気になる存在ではありました。今般,チラシが投函されていたということもあり,モデルルームも近かったため,百聞は一見に如かずということで訪問してきました。
タイトル画像は,本物件敷地南側の生活道路から建築現場を撮影しています。
- 所在地:大阪府大阪市天王寺区玉造本町一丁目22番(地番)
- 交通:大阪市営長堀鶴見緑地線 「玉造」駅 徒歩1分
- 総戸数: 40戸
今までモデルルームを訪問した中で,最も淡白であり,こちらから言わないと余り情報を教えてくれず,コンセプトルームも参考までに見せてくださいとお願いして見せてもらう形でした。これでようやく1時間半というところですので,普通に進めば1時間程度で終わってしまうのではないかと思います。
これはおそらく,営業をかける意思が乏しいことが原因かと思われます。実は12月ころから優先案内をしていたらしく,ほぼ申し込みが入りきっており,全戸40戸のうち,売り出せるのが6戸しかないということのようです。なので,焦って営業をする必要がなく,淡白だったのかなと思いました。営業担当者によると本物件は「勝手に売れる」そうです。 |
||
【物件概要について】
本物件は,プレサンスコーポレーションが売主,施工は金山工務店,管理会社はグローバルコミュニティ株式会社・株式会社プレサンスコミュニティという陣容です。 特色としては,総戸数40戸と控えめなのに,価格と管理費が安いことと思われます。また,駅徒歩1分と通勤利便性が高く,玉造駅の周辺にスーパーも揃っており,買い物の利便性も高いです。 |
||
学区は,真田山小学校→高津中学校です。小学校までは徒歩6分,中学校まで徒歩10分と通学もしやすい環境です。
|
||
物件自体は長堀通に面しており,駅も近いのでやや雑然としていますが,宰相山公園に徒歩3分と近く,一駅分歩けば大阪城公園にもアクセス可能と,周辺環境は整っている印象を受けました。なお,真田山小学校は周辺でも評判がよく,真田山小学校に通わせたいという理由でコンセプトルームに訪れた顧客もいるということです。
先述したとおり,営業らしい営業はほぼありませんでしたが,地下鉄玉造駅徒歩1分という資産性の高さと,売却・賃貸需要も高いため安心との説明は受けました。JR玉造駅にも徒歩4分と2線利用可能という利便性の高さは評価できると感じました。 |
||
【本物件の立地状況について】
本物件の元地ですが,コインパーキングや店舗など細々した物件が立ち並んでいたところを買収していったということでした。整形地でなく,既存建築物が食い込んでいる部分があるため,立ち退きに応じなかったのかと確認すると,そのとおりという回答を得ました。 画像はランドプランです。ご覧のとおり,整形地ではなくやや歪な形状です。まず,敷地北東側に小規模テナントビルがあるのと,敷地南西側も個人宅が食い込んでいる形です。 |
||
既存建築物の状況について,現地写真を用いて説明します。写真は長堀通を挟んだ敷地北側隣地の歩道から撮影しています。まず,北東側の既存建築物についてですが,これは写真左側の,ふたつの丸ガラスが目のように見えるのが印象的な3階建ての建物があるかと思います。これが北東側に食い込んでいる建築物です。
写真やや真ん中右寄りの高層ビルは,既に分譲済みのグランドメゾン天王寺真田山(以下,本見学記において単に「GM」とします。)です。 |
||
次に敷地南西側の既存建築物です。写真は敷地南側の生活道路の西側から,東方向に向けて,本物件の建設現場が画面中心にくるように撮影した写真です。赤色のカラーコーンのちょうど左側が個人宅となっており,これが敷地南西側の建築物となります。
|
||
本物件の立地ですが,北は長堀通に面しており,東と西は先に画像を掲載したとおり,既存建築物が迫っています。南側は生活道路に面しています。
長堀通は車の往来が激しいですが,こちらに面するのはAタイプの物件のみで,B・Cタイプは南側の生活道路に面しており,騒音の影響を受ける心配は乏しいと思われます。とはいえ,全ての窓にT2相当のサッシを導入したとのことで,騒音に配慮した姿勢が感じられました。 |
||
採光面ですが,北と南は道路を隔てて隣地に接するため,特に暗いということはないと思われます。一方で,東と西は建築物が迫っており,特に西側は既分譲のグランドメゾン天王寺真田山が同じくらいの高さで存在しているので,西側の眺望は死んでいると考えた方がよさそうです。
画像は,南側生活道路の東側から,西方向へ撮影したものです。個人宅のすぐ左側にGMが建っているのがわかります。関係ないですが,GMからすると本物件のために東側の眺望は死ぬわけですね…。お見合いにはならないのでしょうか…。 |
||
|
||
東側も雑居ビルのようなものが迫っているので,中層階くらいまでは抜けてこないように感じました。総じて眺望面は市内のマンションということで期待しない方がよいでしょう。
|
||
【マンション居室内の特徴について】
ダブルアウトポールにしており,居室の有効面積が広いのは評価できます。また,全戸クランクイン玄関であり,玄関部分は折り上げ天井のため配慮が行き届いているように感じられました。きちんと折り上げ天井にしているんですねと担当者に言ったところ,どうやら女性の設計士が設計を担当したようであり,女性受けするというか,女性目線での部屋づくり,マンションづくりになっているとの説明を受けました。 画像はAタイプの間取りです。 |
||
意外に感じたのがキッチンで,本物件では新築マンションではおおむね採用しているであろう,対面型のペニンシュラキッチンなのですが,最近ではキッチン部分全面に吊戸棚を設置するのではなく,レンジフードに隣接して小ぶりな吊戸棚を付けるにとどめ,開口部を広くしたキッチンにすることが多いと思われます。ところが,キッチン部分の上部全てに吊戸棚が標準で付くようで,珍しいなと思いました。こうすると,収納力は増しますが,一方で開放感や視覚的な広がりは犠牲になるため,一長一短あるところです。とはいえ,現在であれば竣工まで間があるので,吊戸棚をなしにする変更も可能とのことでした。女性目線で言うと視覚的な開放感よりも収納重視ということなのでしょうか。この辺りはどういう判断で吊戸棚を全面に設けたのか理解しかねました。
画像はBタイプの間取りです。 |
||
本物件の構造,建設の仕方に目を移すと,一般的な板状型マンションというよりかは,タワーマンションに近い工法のため,全戸角部屋であり,住戸の独立性が高く,プライバシー性が高いというのもうれしいところです。ただ,廊下側のアルコーブがほぼなく,ドアと共用廊下の通行スペースがかぶってしまいますが,基本的にワンフロア3室しかないため,ドアを開けると廊下を歩いている人とぶつかる,という可能性は乏しく,妥協できるレベルかなと感じました。
画像はCタイプの間取りです。 |
||
天井高は最大2400mmと残念ながら高さがありませんが,ボイドスラブ工法を採用しているため,全体的に下がり天井になっている部分が少なく,かつ,下がり方も2075mmということでひどい下がり方はしていません。加えて,各住戸プランともに間口がかなり取れている(ワイドスパン)であることから,居室全体の開放感は高いのではないかと感じました。
|
||
【外観及び共用部分について】
本物件がプレサンスロジェ森ノ宮のモデルルーム流用であり,コンセプトルーム扱いであることは先述しましたが,それにとどまらず,よくあるジオラマもないということでした。普段ですと,ジオラマはかなり綿密に撮影するため,拍子抜けするというか,えっ,ジオラマないんやプレサンスって…とカルチャーショックのような衝撃がありました。プレサンスは私の印象として,比較的価格が手ごろな売主という印象があったのですが,モデルルームを流用したり,ジオラマは作らなかったりという形でコストを抑えているのだなと感じました。ただ,ジオラマはかなり忠実に作っているため参考になる部分も多く,私は重宝していることから,ジオラマなし・コンセプトルーム,図面だけ見て想像して買いなさいというのはなかなか顧客に対する要求水準が高いなと感じました。 |
||
メジャーセブンを代表する,大手売主はこの辺りのアフターフォローというか,顧客に対しては親切な部分が多いですが(携帯各社で言うと寡占三社・キャリアとたとえましょうか。),プレサンスはその分安いけれども顧客にはあまり親切ではない(安いけれども,自分自身でカバーしないといけない部分が多いという点でMVNOといった,格安シム各社にたとえられましょうか。)なと営業を受けて感じました。
ジオラマがないから仕方ないので,本見学記では図面集を用いて外観等紹介したいと考えます。画像は物件立面図です。 |
||
外観はプレサンス標準仕様というか,黒色系統のタイルを多用しており,モダンな印象の外観のようです。プレサンスお決まりなのでしょうか,本物件にもプレサンスコーポレーションという広告?が外観にくっついてくるようです。一部のマンションでは売主を示すこのような意匠がほどこされていますが,私は目にうるさいので余り好きではありません。エントランスに控えめに示すくらいが奥ゆかしくてよいと思います。バルコニー部分は,3分の2がコンクリート,3分の1が乳白色のガラスパネルということでした。
画像は東側立面図を接写したものです。画像右上にプレサンスコーポレーションの看板が確認できると思います。 |
||
駐車場は8台分しかありません。市内中心部の立地なので,車はなくてもよいということなのでしょう。なお,平面式駐車場は設置されていません。駐輪場については,80台分と1戸当たり2台分確保されています。
ゴミ置き場は,マンション南側に2つに分けて設置されており,民間業者を入れているので24時間ゴミ出し可能ということでした。 ペット用の足洗い場はありますが,集会室はなく,植栽も気持ち程度しかありません。敷地がそこまで広くないのでやむを得ないですが,共用部分は必要最小限という印象を受けました。エレベーターは1基です。40戸しかないので,1基で十分でしょう。ディスポーザーも付属していません。 |
||
【コンセプトルームについて】
先述のとおり,基本的には図面を中心に想像するということになるので,注意が必要です。基本的な仕様はコンセプトルームに準拠するということでしたので参考までにコンセプトルームの写真を用いて紹介していきます。 ・リビング,バルコニー,キッチン リビングは下がり天井も気にならず,間口が広いので開放感のある印象です。 キッチンはタカラスタンダード製を使用しており,面材に高級感があります。ちなみにスパイスラックはソフトクローズではありませんでした。 |
モデルルームまでは,JR森ノ宮駅をでて,玉造筋を横断し,西に向いて少し歩くと右手に森ノ宮神社が見えてきます,そのままもう少し直進すればモデルルームです。駅から徒歩2~3分と非常に近いですが,特に駐車場などは設置されていないので,地下鉄かJRを使うのがベターです。
本物件でモデルルームは建設しておらず,プレサンスロジェ森ノ宮のモデルルームをそのまま流用しています。したがって,あくまでコンセプトルームという扱いになります。
流れについてですが,アンケートの記入~ヒアリング~物件概要の説明~コンセプトルーム見学を終えて終了でした。