「Read, このマンションを、どう読むか。」
これは販売開始時に掲げられたキャッチコピーですが、この内容からは売主ですらセールスポイントをキチンと把握できていないのではないか、とすら思えてしまいます。
記載主はこのマンションの契約者ですが、初回に訪れた際のモデルルームと物件の第一印象、および10月中旬の物件周辺状況を報告したいと思います。
軽くdisっている表現もあるかもしれませんが、決してネガティブアピール目的というわけではありません。それではよろしくお願いします。
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- 所在地:東京都港区芝浦1丁目33番3、34番5、6(地番)
- 交通:山手線 「田町」駅 徒歩10分
- 総戸数: 883戸
構造面では、免震であることは勿論、浸水や給水についての対策もアピールされていました。
重力排水や機械室の上階配置など、普段の生活ではあまり意識することがありませんが、3.11を踏まえ必要な配慮は行なっている、という感じです。 免震は制震より必ずしも優れた対策ではないという認識が一般的になってきましたが、このマンションは建物のアスペクト比などから免震との相性がよい物件です。 同時期に販売している対岸のワンダフルプロジェクトでは、免震より一歩進んだ免制震構造となっています。 となると地震対策で一世代古い印象がありますが、地盤の関係からかこのマンションでは免制震設計にしても、耐地震の性能は変わらないと某所で聞きました。 |
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駐車場の設置率は約4割、いまどきのマンションとしては標準的な設置率です。
補完策として、EVカーシェアが3台準備されています。 車種がsmartなのは、隣のヤナセ(株主が売主の1つである伊藤忠商事)との関連があると思います。 毎月4万円というのは近隣駐車場とレベルを合わせたものと思いますが、ちょっと高い印象です。 もう5000円くらい安くてもよいと思います。 |
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サービス面については、シェアーズステーションというイベントデスクが設けられています。
クルマがなくても色んなところに行くことができる!というのはマイカーレスのライフスタイルの提案なのでしょう。 三井不動産が「マンション居住者向けイベント企画」のビジネスモデルを円滑に遂行するための橋頭堡と見ることもできなくないですが... こちらの価値については正直未知数です。ただ維持費がかかるものではないため、あっても支障はないかなと思います。 |
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眺望については、東京タワー(主に西)、東京湾花火(主に東)、レインボーブリッジ(主に南)と全面でなんらかのオブジェクトを探すことができます。
但し、東京湾花火については年1回であること、選手村設営の絡みで入居年以降の開催は不透明(開催しない可能性が高い)な点は頭に入れておいたほうがよいでしょう。それでも東京湾を臨む開放感のある眺望は長く変わることはないと思われます。 |
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住戸のモデルルームは3つあります。小世帯向けの60平米、ファミリー向けの80平米、あとは富裕層向けの120平米。
他物件も含めどのモデルルームにも共通しますが、間取り変更とか最小限にしてくれないかなぁ。 ここも他と同じく、間取り変更で一部屋潰して広さをアピールした構造になっています。ちょっと参考にならない。 120については、まぁ自分用にカスタマイズする方も多いようなのでどれだけ変更してもらってもよいのかもしれません。 それでも個人営業の隠れ家バー仕様といった内装は、あまり趣味がいいとは思えませんでした。 |
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このマンションを語るにあたり「田町駅東口北地区再開発」を欠かすことはできません。
豊洲が面レベルの街全体の再開発で大ブレイクしたことをきっかけに、再開発→資産価値向上の図式が一般化したように思います。 この分野では三井の実績が豊富ですが、安く仕入れて再開発で価値を向上させて高く売る、というのは一昔前の私鉄沿線のビジネスモデルを見るようです。 田町駅東口が豊洲レベルのインパクトを引き起こすのかを予想するのは難しいですが、可能性は高いように思います。 ・田町駅自体、JRと地下鉄2路線で交通結節点としてのポテンシャルが高い。 ・ビジネス需要がもとより強い立地のうえ、慶應や芝浦工大といった若者の流動性も高い。 ・芝浦アイランドに居住者が多いことから、成功事例である豊洲が指向する「産・学・住・遊・商」の複合開発の3要素を既に備えている。 ・今回、再開発で「商」「遊」の要素が入れば全方位にスキがなくなる。豊洲の成功事例も三井が手がけているため、当然この辺も視野に入れてくるハズ。 再開発の高層ビルはビジネス用途ですが、個人的な推測として足元にはそれなりの規模の商業施設が入ると考えます。 駅近のTGMMプロジェクトは、三井・三菱・東京ガスの3者による開発ですが、特に三井は一般消費者向けの商業施設設置に多数の実績を持っています。 駅とほぼ直結といってよい立地に、(地域住民だけではなく)各路線の乗降客を引き寄せるだけの魅力的な商業施設をつくることは必然のように思われます。 もう少し欲をいえば、2棟であることを生かして回遊性のある商業施設にしてくれるとベターですね。 |
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以降は、実際に物件現地の周辺レポートになります。テキストばっかりの退屈なレポートで恐縮ですが、ここから写真入りになります(つうか、MRは撮影禁止のところが多いのに写真必須っていうこのカテゴリの条件にやや無理を感じます)。
再開発という面ではポジティブな物件ですが、東は首都高、西はJRに挟まれた立地というのは留意点でしょう。 JRは音、首都高は排ガスがネガティブ要素になると思います。 北面の国道は、第一京浜と海岸通りのバイパスルートとなるため、短く幅も狭い割に大型車の往来がかなり多いです。 生活動線としてこの道を横断することは少ないと思いますが、排ガスと騒音は注意したいところです。 反対に、西に面する旧海岸通りは、幅が広い割に交通量は少なく場末感を感じさせるくらいです。 |
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物件から田町駅方向に歩くとすると、旧海岸通りの信号を渡って再開発地区を目指すことになると思います。
ペデストリアンデッキを利用するなら、まずは写真の道を突き当たりまで進む必要があります。 田町駅までの道のりの約1/3がコレになります。ここは再開発対象外なので注意が必要です。 残りの2/3は歩行者専用デッキなこともあり、あまりストレスは感じないと思いますが... ![]() ![]() |
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再開発地域内に移転してくる愛育病院です。
エントランスを拡大表示すると分かりますが、病院ぽくないゴージャス感のあるつくりのようです。 お産でお世話になる場合は少しお高いらしいので、近隣にもアッパーレベルの奥様にあわせたお店などができると華やかですね。 とかいって、その需要は全て駅前TGMMが満たしてしまうのかもしれませんが... ![]() ![]() |
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物件方向からみたペデストリアンデッキの終端です。
田町駅に向かうにはこの階段を上がって、線路をくぐって三田駅に行く人は階段を上らすに地面を歩くか、の2択と思われます。残念ながらエスカレータはありません。 ![]() ![]() |
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芝浦運河通りの歩道です。拡幅して、再開発地区らしい幅広の歩道になるようです。
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運河と物件の距離感です。首都高の騒音と排ガスを気にされる方は評価のひとつとして考えてみてください。
個人的には、撮影場所である運河にかかる橋の上でも、海岸通り寄りのところでは排ガスの臭いが気になりました。 ![]() ![]() |
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物件の南面。
眼下には、ヤナセの車両置き場がトミカ基地のように広がっているかもしれません。 ![]() ![]() |
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近所の竹芝橋あたりから頭を見せる東京タワー。
物件から同じ距離感でこの見え方なので、北・西向きの住戸では結構大きめに見えるのではないでしょうか。 ![]() ![]() |
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竹芝橋あたりから見る物件。芝浦運河通りから物件に向かう際にはこんな感じで見えると思います。
まだ20F程度までの高さしかないため目立ちませんが、建築完了しても全体像を見ることができるスポットがほとんどないため、 地域のランドマーク的な物件にはならない気がします。 ![]() ![]() |
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物件の北面。
平面図としては特徴的なペンタゴンフォルムですが、目の当たりにするとそれほどデザインとしてのインパクトはない気がします。 ![]() ![]() |
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物件の西面。
ヤナセの建物と比較するとエントランスが結構セットバックされていることが分かります。公開空地になりますが、敷地をゆとりある形で使えるところが大規模物件のよいところなのかもしれません。 ![]() ![]() |
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ラストに、晴海から見た物件の東面。中層の比較的早い段階から抜けてくるようです。
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上の写真のほぼ反対側を見るとこんな感じ。
東面から見える光景は、こんな感じなのでしょう。夜はまだ少し寂しいと思います。市場の先客万来施設、東京ワンダフル、数年後になるでしょうが東京ガスの再開発が進めば夜景も少し賑やかになるかもしれません。 ![]() ![]() |
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by 管理担当
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このマンションの共用設備は、あまり維持費用がかかるモノがなく、ほとんど「床と椅子」のイメージです。この辺が実需用途の自分には、評価が高いです。
維持費の高い共用設備は、まず毎月の管理費・修繕費にのしかかってきます。でも、その割に利用頻度は高くない人のほうが多いでしょう。
10年スパンの比較的近い未来に、
・共用設備に飽きた居住者が退去して住民の流動性が必要以上に増す(=短期住まいの人は将来的な維持に配慮しない可能性が高い)
・共用設備を継続して維持するか否かで住民間で紛糾する、閉鎖になってもプールなんかは蓋をするのにも金がかかりそう
あたりが容易に想像できます。
勿論こうはならないかもしれませんが、高い買い物なので自分でコントロールできないリスクはなるべく避けたいです。
でも、屋上の展望設備は欲しかったなぁ。どうせ出るのは年に1回程度なのでしょうが、学校の屋上然り、非日常の逃げ場所というか開放されたい場所としてでも存在すると、心が安らぐかもしれません。