大都市圏を中心にマンション建設を行っている長谷工コーポレーションは昨年、分譲マンション建設で累計50万戸を達成した。これは日本の分譲マンションのおよそ1割を占める。
「首都圏・近畿圏に絞れば5戸に1戸は当社建設のマンションという高い占有率を誇ります」と、執行役員の岡田裕さんは語る。「とくに70年代以降マンションブームが続き大量供給してきましたが、その頃購入された世代は『GS世代』ということになります」
以来40年、最近はマンション購入者の求めるものが様変わりしたという。
「3Pから4Pへの変化です。これまでは、価格(プライス)、場所(プレイス)、間取り(プラン)がマンション選びの基本でしたが、最近はこれに加えて、守り(プロテクション)を重視する傾向が強くなりました。地盤対策、耐震性、非常電源や水の確保が大きなポイントです。とくに『GS世代』が一戸建てからマンションに移るケースが増えていますが、基本性能をしっかり備えていることを重視するというアンケート結果が出ています。さらにマンションのコミュニティーへの評価も高まっているんです」と岡田さんは言う。
私は、「これまでマンションでは、隣人に無関心、といわれてきませんでしたか」と質問した。
「いや最近はそうではないんです。震災後、エレベーターが使えないからと高齢者世帯に近所の人が水などを運んであげた、という例が各地から報告されています。また防災訓練はもちろん、日頃から管理組合が中心になって祭りやイベントを頻繁に行い、いざというとき助け合おうという風潮が強くなっています。最近売り出した当社の東村山のマンションでは、141戸のうち60歳以上の購入者が3割程度になっています。この年齢層はローンではなく即金というケースが多いです」
こういう時代になると、マンション販売後の管理会社の役割が大きくなってくる。
「その通りです。今後人口減少時代に入り、マンション建設は10年くらい先から減少を覚悟せざるを得ません。そうした中で長谷工グループはどう生き残るのか、その基盤作りの中期計画をスタートしました。まずサービス意識の高いマンション管理をより充実させる。販売から時間がたつマンションが増えるので耐震・修繕など老朽マンションの課題に応える態勢を作る。またリフォーム需要にもきめ細かく対応する。さらに高齢者向け住宅に多方面から取り組むことを掲げています。これまでのマンション建設一本やりから、今後は住む方の生活に寄与する経営が求められるという意味で『フローとストックの両軸経営』を合言葉にしています」
岡田さんはこう力を込めた。『GS世代』に満足のゆく住宅環境を提供できるか。マンション業界も大きな転機にさしかかっている。
http://www.zakzak.co.jp/economy/ecn-news/news/20120823/ecn120823074600...
[スレ作成日時]2012-08-23 09:52:34
サービス意識の高いマンション管理を!