中央防災会議と東京都防災会議が首都直下地震の被害想定を公表しています。東京周辺で発生しうる各種の地震の中でも、東京湾北部のプレート境界を震源とする東京湾北部地震は今後30年間に70%の確率で発生すると予想されています。
http://www.bousai.go.jp/jishin/chubou/taisaku_syuto/syuto_top.html
http://www.bousai.metro.tokyo.jp/japanese/tmg/assumption.html
東京湾北部地震では木造住宅密集地での火災が壊滅的な被害をもたらすと予想されますが、場所によっては急傾斜地崩壊による被害も少なくないと考えられます。例えば東京都防災会議の想定によれば、東京湾北部地震(M7.3)が18時に発生、風速15mという最も火災が発生しやすい最悪ケースで、東京都全体では下記のように火災による死者が最も多くなります。
建物・家具の倒壊・転倒 1,737人
急傾斜地崩壊 183人
火災 3,517人
その他 586人
ところが港区をみると、下記のように急傾斜地崩壊による死者の方が火災による死者よりもずっと多いと予想されるのです。
建物・家具の倒壊・転倒 33人
急傾斜地崩壊 29人
火災 5人
その他 5人
さらに、時間帯がずれたり風が弱いなど良い条件が重なれば火災による死者はぐっと減りますが、急傾斜地崩壊による死者はほとんど変わりません。
http://www.bousai.metro.tokyo.jp/japanese/knowledge/pdf/h18choka/hon7....
今回の東北地方太平洋沖地震でも、崖崩れや地すべりによる建築物の倒壊、上下水道の寸断により、内陸部の住宅地は深刻な被害を被りました。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110420-OYT1T00159.htm
このように大地震の際に急傾斜地崩壊による深刻な被害が予想される地域周辺のマンションを買うメリット・デメリット・注意点について真剣に語り合いましょう。
[スレ作成日時]2011-04-29 07:35:10
23区 地震で急傾斜地崩壊が予想される地域を買うメリット・デメリット・注意点
17:
匿名さん
[2011-05-15 11:16:04]
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さて私も自分で調べてみましたが、世田谷区議会議員の上川あや氏のサイトが非常に勉強になりました。
http://ah-yeah.com/blog/reports.php?itemid=664&catid=34
>阪神・淡路大震災では、大阪~神戸間の斜面地に発生した斜面変動約二百カ所のうち、実に半数以上が谷を大規模に埋めて造成された谷埋め盛り土宅地の地滑りでありました。
>中越地震の検証でもその震災が地盤災害であったと認められており、専門家が地震後危険と判断した宅地も一千カ所を超えています。
>そして、こうした地盤災害のリスクは世田谷区も例外ではありません。
>区内の宅地の多くは一見平たんに見えますが、これらは尾根を削り谷を埋めて平たん化した結果であって、土地本来の地盤ではないことも多いのです。
>住宅地の下には今も地下の斜面が存在し、地滑り災害が懸念される谷埋め盛り土の住宅地もまた少なくありません。
京都大学防災研究所の調査によれば、自由が丘周辺だけでも、下の図のような盛土地盤の崩壊危険箇所があるようです。上のほうで誰かが絶対安全だと豪語していた田園調布なんて、かなりの部分が崩壊危険地帯じゃないですか。こいつは衝撃的です。
東京都は平成23年4月に造成地のリスク評価を公表する予定のようですが、震災の影響かどうかは知りませんが公表はまだですよね。公表されたら衝撃が走るのではないでしょうか。
おそらく素人目では盛土造成地かそうでないかなんて見分けがつかないと思います。高台の物件を考えている人はリスク評価の公表を待った方が良いのではないでしょうか。